晴耕雨読・・・・「薩摩組幕末秘録」

ようやく補修している塀垣の瓦が届き、最終工程に取り掛かろうと思ったのですが、このところの荒れ模様の天気で断念。数日前に図書館から借りてきた鳴海章 著の「薩摩組幕末秘録」を読むことにしました。
題名から幕末の薩摩藩の勤皇の志士を扱ったものと思っていたのですが、これが肩すかし、越中富山のくすり売り集団で薩摩藩に出入りするグループ「薩摩組」のことでした。
主人公はくすり売りの「於兎屋藤次」・・・立山の忍びの技を受け継ぐ忍者。
ストーリーは北前船の密貿易に絡み富山藩・加賀藩・薩摩藩・それに柳生藩が介在して展開して行きます。

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逆さ日本地図?・・・日本海側が大陸との表玄関を示しています


、それぞれの藩の流派、薩摩の示顕流(示現流)、柳生新陰流・それに小太刀の名手、冨田勢源の流れむ加賀藩剣道指南役、馬渕洋之進の繰る必殺の秘剣「胡蝶剣」などを登場させストーリーを盛り上げます。
特に、冬の荒れる日本海を航海する「北前船」の状況描写は、過去、能登ー佐渡間往復ヨットレースで時化に遭遇、死ぬ思いを何度かした私にとっては「そのとおり!」と納得させる筆者の筆力を感じました。
ヨットマンには、お薦めの一冊です。

■著者のプロフィルを見ようと巻末を開くと、この本の発行日は9月30日・・・私の定年退職日。著者の鳴海章(なるみしょう)は1958年、北海道帯広生まれで、日本大学法学部卒業。
「ナイト・ダンサー」で第37回江戸川乱歩賞。「ゼロと呼ばれた男」(シリーズ4部作)、「駿馬」「却火」「鬼火」など数数の著書を出しているようで、他の作品も読んで見たいと思っています。
by makimaki59 | 2006-11-12 09:38 | 日記
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